【ブラック校則廃止希望】自由の調整を図るための校則を
こんにちは、Haloです。
みなさんは学生時代どんな服装で学校に通っていたでしょうか。
学ラン、セーラ服、など王道の制服を着こなすことが校則だった方もいれば、セーターだけは何色でもOK、毎日ジャージOKなど厳しくはない校則の方もいるでしょう。
今日は制服に限らず、様々な校則のお話を。
みんなが経験したブラック校則
昨年大阪府の女子高生の頭髪をめぐって起きた裁判のニュースをきっかけに全国でブラック校則が話題になりましたね。
下着の色指定や、ポニーテール禁止令、眼を見張るような内容のブラック校則が世の中にはたくさん存在するのです。
▽ブラック校則にまつわるまとめは色々ありますのでご覧ください。
校則は今の方が厳しい...!
では、このブラック校則、昔と今とどちらの方が厳しいのでしょう?
答えは断然、今です。
下のグラフは不合理な校則の見直しを求める「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」に取り組むNPO法人がインターネット調査を実施した結果です。
校則:昔より今が厳しく 眉毛、下着の色…細かく規制 - 毎日新聞 より
50代の人たちの学生時代に比べて、現在は、「体育や部活動時に水を飲んではいけない」のみ割合が下がる反面、それ以外は右肩上がりに割合が増えています。
「体育や部活動時に水を飲んではいけない」という校則をもつ学校が減少してきたのは、水分補給を怠ることで熱中症になり死に至る事例が多くあるからと言えるでしょう。校則を理由に水分補給を許さず生徒の身に何かあれば、学校側はたまったものではありません。だから、昔と今で変化が起きているのでしょう。
では、他の項目たちは...?
ブラック校則が"ブラック"である本当の理由
事実、帰宅途中の買い物も、眉毛も、下着の色も、スカートの丈も、これらにまつわるブラック校則が存在しています。しかし、これらのブラック校則によって、誰からも見える形で苦痛を受ける人はなかなかいないように思います。
それは、ブラック校則で統制されることにより、顔にあざができる訳でも、足に擦り傷ができて血を流す訳でもないから。
しんどいのは、ブラック校則を強いられる生徒たち。その生徒たちが感じるのは、嫌悪感をはじめとする精神的苦痛です。
だから、規制しやすい。周りの人には簡単に見えないから。
こじつけでも厳しくできてしまう。
さらには、校則が嫌ならば学校から出て行け、授業に出なくていいと校則を守らない故の代償を提示してくる大人がいますよね。
ブラック校則までいかなくとも厳しい校則を強いられた昔の生徒たちは、今は笑い話のように #ブラック校則 を話題にするでしょう。
でも、笑い話で済まされるほど、生徒たちの思いは軽くはないのではないでしょうか。
校則で大事にするべきこと
最近の研究で興味深いものがありましたので少し。
「自由という観点を重視し,ルールによって他者の自由との調整を図るという考え方には,ある程度の理解が得られたとしても,それを一般化し,学校を出てから社会においても活用できる,というところまでは到底たどり着けなかった。質量の両面において,教材の一層の充実が必要であると言える。」
△福本知行「校則を用いた法教育の研究と実践-ルール作りを学ぶ素材として-」金沢法学61巻1号,2018年より
この研究では、他者の自由との調整を図るというルールの在り方を説いています。ただ、これからの教材や学びを充実させなければ、ここへたどり着くのはなかなかに難しいことであることも示しています。
私たちが守らなければならない校則をはじめとする規則があるのは、
昔のように非行を防ぐためという理由は薄れてきています。
茶髪はおしゃれだし、寒いものは寒いし、しんどいものはしんどいです。
学校にしても、会社にしても、生きていくうえでどこかの集団に属していくことになるでしょう。
そんな時、自分の自由も、他者の自由も守られるように調整をするために規則をつくっていけるといいですね。
まずは意識的に規則を捉えなおすことからはじめて、いつの日か、みんなの自由が守られる規則の中で子どもたちが育つ日本になることを願います。